紳士向けの財布や、バッグに使われるレザーとして、特に人気の高い素材と言えばコードバンです。
そのコードバンのすべてを徹底解析します。
【目次】
コードバンとは?
コードバンといえば、その特徴は、何といっても、独特の硬質な質感と、あの艶でしょう。
高級感溢れる、コードバンならではの光沢は、「キングオブレザー」と呼ばれるに相応しく、革の世界では、「ダイヤモンド」などと称されていたりもします。
もちろん、見た目がダイヤモンドのように美しいから、というのが、そう呼ばれるようになった所以ですが、実は採取の仕方もダイヤモンドの採掘に似ており、非常に希少なものとなっています。
一般的なレザーと言えば、牛革がメジャーですが、コードバンは「馬」の革のことを指します。
しかも、1頭の馬から採取できるコードバンは、ごくわずか。馬革の生産量というだけでも数が限られているのに、その中でも、馬の「臀部(お尻)」であるコードバンを入手するというのは、とにかく大変なことなのです。
コードバンは、強度が自慢の皮革です。
牛革と比べると、3倍もの堅牢性を誇るので、この点からいっても、「高くても是非、コードバンの財布を使いたい」と考える人が多いのは、納得ができるでしょう。
「水染めコードバン」とは?
コードバンの中にも、複数の種類があるということをご存知でしょうか?
そんな中でも、「水染め」のコードバンという言葉を耳にしたことがあり、どういったものか気になっている、なんて人もいることでしょう。
「水染め」というのは、染料の入っているプールにドボンとレザーを漬け込んで、じっくり色を染み込ませていく手法になります。
時間を掛けて革を染めあげるので、色にムラがなく、均一な輝きを表現することができ、透明感のある仕上がりが特徴となります。
ただ、水染めのコードバンは、あまりにも艶っとして、表面が美しいので、万が一、ちょっとでも傷が付いてしまうと、その時のショックは大きいかもしれません。
レザーは、多少の傷や染みがあってこそ!というタイプの人なら問題はないのですが、潔癖気味の人が水染めのコードバンを使うのは、考えものかもしれませんね…。
もちろん、絶対に傷がつかないよう、大事に大事に使うことができるのであれば、話は別です!
ホーウィン社「シェルコードバン」とは?
コードバンというと、名門のタンナーとして有名なのが、北米にあるホーウィン社です。
「ホーウィン社のシェルコードバン」といえば、それは革業界では、立派な1つのブランドなのです。
ホーウィン社のシェルコードバンは、鞣しの過程で、コードバンにたっぷりとオイルを含ませる、という特徴があります。
オイルをたくさん含んだ場合、そのレザーはどうなるかというと、実は染料が染み込みにくくなるのです。
これはマイナス…?と思いきや、このことによって発生する、独特の「色ムラ」が実は、マニアにとって、たまらない魅力を産み出すのです。
均一な美しさが魅力の水染めコードバンに対して、独特の味わいある色ムラが魅力のオイルコードバン、どちらを欲しい!と思うかは、使う人の感性次第、ということになります。
ただ、ホーウィン社のシェルコードバンの場合、オイルの影響で、レザーに、しなやかさが出たり、コーティングによって傷が付きにくくなったりもする、といったメリットがプラスされています。
また、乾燥の予防になったり、多少の水分は弾くことのできる撥水性も加わったりと、オイルによる恩恵は、決して見た目の美しさだけに限ったことではありません。
しかし、ホーウィン社のシェルコードバンには、「高額!」という問題もあったり…。ホーウィン社製のコードバンだと、高過ぎて厳しい!手が出ない!という人は、高品質な日本製のコードバンを頼るのが良いでしょう。
コードバンの経年変化(エイジング)
コードバンは、新品の状態でも充分に美しいのですが、エイジングを遂げた時の美しさはまた絶品で、言葉にしがたいものがあります。
元々の艶が、さらに増し、何とも言えない味わいのある、深い艶が奥から滲み出てくる、というのが、コードバンらしいエイジングの特徴と言えるでしょう。
さらに、質感に関しても、味わい深い変化を遂げてくれます。コードバンと言うと、使い始めの頃には「硬い革」といった印象を抱くと思うのですが、これが、時間と共に、どんどん柔らかくなり、次第に手に馴染んでくるようになるのです。
使い込んだコードバンの風合いは格別で、お金に加え、長年の「時間」を掛けてこそ手に入れられる、大人にとっての究極の贅沢と言えるでしょう。
コードバンのメンテナンス
革というと、メンテナンス、お手入れが大変、繊細で扱いにくい、…というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、コードバンの場合はどうなのでしょうか?
革の手入れに関しては、基本的に、「使う人次第」というところがあり、あえて、一切何もせずに、シミやシワも含めて、大胆なエイジングを楽しむ、というのもアリと言えばアリです。なので、「こうでなければいけない!」というようなことは、決してありません。
そもそも、コードバンは、牛革の3倍もある強度が自慢のレザーなので、傷やホコリに対しては、ある程度の耐性があります。
大切に使えば、それこそ、一生モノの財布やバッグになる、というくらいの丈夫な革なので、希少価値こそ高くても、決してそこまで繊細で弱いモノではない、ということですね。
普段のお手入れに関しては、乾いた柔らかい布で、汚れやホコリを落とす程度で充分。この時には、あまりゴシゴシこすったりせずに、優しくなでるようなイメージで、丁寧に拭いてあげるようにしましょう。
また保湿クリームを定期的に使用しメンテナンスを行っていると、次第に艶が強くなってきます。
この画像ぐらい艶やかなコードバンを目指すのであれば、保湿クリームを使用したメンテナンスをおすすめします。
ひとつ注意点としてコードバンには弱点があります。それは、ズバリ、水に弱い!ということ。
もし、万が一、水に濡れてしまった場合は、絶対に放置せず、柔らかい布ですぐに水分を拭き取りましょう。
対処は速ければ速いほど良いです。何日もそのままにしておくと、取り返しのつかない染みが出来てしまうかもしれませんので…。
コードバンの革小物を扱う有名ブランド
コードバンの革小物を扱う有名ブランドを紹介します。
基本的に海外ブランドはほぼコードバンを扱っていません。国内でも限られた一部のブランドだけがコードバンを扱っています。
以上のことを踏まえた上で紹介する、こちらの2つのブランドは、コードバンの商品点数も多く、品質も上質なため、覚えておいて絶対に損はないと思います。
COCOMEISTER(ココマイスター)
こちらのブランドで扱われているのは、ホーウィン社のシェルコードバン、日本製の水染めコードバン、ブライドルレザーの思わせる加工を施したワンランク上質なコードバン。
どのコードバンも厳選を重ねた結果、選び抜かれた素材を、日本の熟練職人が仕上げるという贅沢な仕様となっています。
日本のブランドでは、もっともハイランクな商品を提供しています。
CYPRIS(キプリス)
こちらのブランドで販売されているコードバンは、新コードバン、オイルシェルコードバン、それと一切染色を行っていないナチュラルコードバンが扱われています。
キプリスは国内でも屈指の縫製技術を持っており、職人のレベルの高さに驚かされます。
それでいて価格がそれほど高過ぎないので、コスパに優れた一面があります。
人気の「コードバン」メンズ長財布
マイスターコードバン スカイスクレーパー
マイスターコードバンシリーズに採用されているのは、日本の由緒正しき、伝統ある技術「水染め」によって仕上げられたという、最高級の芸術的なコードバンです。
コードバンの中でも、透明感のある輝きが特徴で、ほどよいムラ感に、何とも言えない上品さ趣があります。
こちら、内装にもイタリアの高級なオイルドレザーが使われているという超贅沢品。価格も7万円と上級なラインに位置づけられています。
コードバン ラウンド長財布
こちらの財布に使用されているコードバンは、最初、白いロウが粉のように浮いていて、まるでブライドルのような表情をしているのですが…。使い込んでいくうちに、次第に本物のコードバンらしい輝きを放つようになるという、なんとも奥行きの深い仕掛けが詰まった、超贅沢な商品なんです。
カラーバリエーションは、黒鹿毛と、鹿毛の2種類。この色名の名付け方にも、こだわりが感じられるシリーズですよね。価格は、54,000円です。
人気の「コードバン」メンズ二つ折り財布
マイスターコードバン ラスティング
ココマイスターの中には、コードバンだけで数種類ほどの革質が存在します。そんな中でも、こちらの「マイスターコードバン」は、いわゆる「コードバンの財布が好きだ」という人にとって、一番、最初に思い描いているイメージに近い革なのではないでしょうか?
外装のマイスターコードバンは、日本の伝統技術である水染めで仕上げられており、内装には、イタリア産の高級なオイルドレザーが使われています。
価格は、税込48,000円となっています。
コードバン 2つ折り財布
本物のコードバン愛好家をゾクゾクさせ、唸らせるであろう商品が、こちらのコードバン2つ折り財布です。
パッと見の印象がブライドルに近いので「これのどこがコードバン?」と思う人も多いことでしょうが、こちらのシリーズは、経年変化を遂げることにより、本物の輝きが内側から滲み出るように設計されているのです。
価格は、37,000円。購入した人にしかわからないその価値を、是非手に入れてみてください。
人気の「コードバン」小銭入れ
マイスターコードバン ラウンドヘッド
ココマイスターは、ブライドルやコードバンの財布を得意としている国産のブランドになります。原材料はヨーロッパから直輸入をしているとのことで、そこには深いこだわりが感じられます。
特にコードバンには、強いこだわりがあるようで、コードバンだけで、違う質感のものが何種類も展開されていたりします。
こちらの商品に使われているのは「マイスターコードバン」で、日本の巧みが伝統的な製法「水染め」を施すことで、独特の透明感ある輝きを実現させています。価格は、26,000円となっています。
コードバン馬蹄小銭入れ
コードバン=馬革ですから、同じ小銭入れを使うのでも、こういった馬蹄のような形の商品を使ってみると、洒落が効いていて良いのではないでしょうか。
ちなみに、こちらのコードバンが一瞬、ブライドルに見えるのは、それもそのはず。このシリーズのコードバンには、あえて、ブライドルに見えるようなロウの加工が施されているのです。
しかし、この商品は、ずっとこの状態をキープし続けるわけではありません。使い込むほどに、より本物のコードバンに近い輝きを放ってくれるようになるのです。
価格は、20,000円です。
人気の「コードバン」名刺入れ
コードバン 名刺入れ
今、ビジネスマン達が選ぶ、革製品の新定番ブランドとして、急成長を遂げている国産のメーカーと言えば、ココマイスターです。
ヨーロッパの高級な皮革を、日本の熟練された職人が縫製しているという、黄金の組み合わせによって産み出される商品の数々が魅力となっています。
こちらのコードバン名刺入れは、最初ブライドルのような見た目をしているのですが、表面のロウを磨き取ることで、奥行きのある輝きが現れるという、手の込んだ逸品。
カラーバリエーションは、ブラックとブラウンの2色で、価格は、23,000円です。
マイスターコードバン ブレイズ
ココマイスターは革製品の専門ブランドだけあって、コードバンだけでも豊富な種類が存在しています。
中でも、こちらの「マイスターコードバン」は、手間の掛かる「水染め」という製法によって仕上げられており、独特の透明感ある輝きが特徴となっています。
内装に施されている革も、最高級のオイルドレザーで、味わいのある革らしい色をしています。
カラーバリエーションは、ブラックどボルドーワインの2種類で、いずれも、コードバンの魅力をたっぷりと堪能できる色味となっています。
価格は、28,000円です。
人気の「コードバン」キーケース
CYPRIS(キプリス)キーケース■オイルシェルコードバン ~アンフィニ~
透明感のある、オイルシェルコードバンの艶から、高級な雰囲気が漂っている、キプリスのキーケースです。
ベルト式で留められるというところが、紳士らしく、上品なポイントと言えるでしょう。ホルダーは全部で5つとなっています。
カラーバリエーションは、ブラック、ワイン、ネイビーの3色展開です。
CYPRIS(キプリス)キーケース■ナチュラルコードバン
いかにも経年変化を楽しむことに期待ができそうな、大人向けのキーケースです。
革の表情はもちろん、白く映えているステッチの均一な美しさにも目を奪われます。
正真正銘のオイルシェルコードバンであるということが、ベルトを開けてすぐの外装に刻印されていますし、メイドインジャパンの文字も刻まれています。
コードバンの鞄(バッグ)について
コードバンの鞄はかなり希少性の高いものとなっており、常時販売しているブランドはほとんどありません。
小さい財布ですあれほど高価な価格なので、それをバッグにした場合の価格もある程度想像できるかと思います。
どうしてもコードバンのバッグが欲しい場合は、オーダーで購入するのが良いでしょう。
また数量限定で販売する場合もあるので、各ブランドの情報に敏感になっている必要があります。
それほどコードバンのバッグはレアな存在となっています。
まとめ
コードバンはとても魅力的なレザーです。
ぜひあなたもこの魅力の虜になって、普段の生活に華やかさを添えてみてはいかがでしょうか。